大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)2648号 判決

本件記録に徴すれば、原判決が沒収した換価代金は捜査官が押収したものゝ換価代金で裁判所において押収したものでないことは所論のとおりである。

しかし刑法第一九条の沒収の条件には特に裁判所で押収したものに限る旨の制限はないから裁判所が押収したものでなくても右法条の条件に適合するものはこれを沒収するに何等差支はないのである。

もつとも刑事訴訟法第九九条によれば裁判所は必要があるときは沒収すべき物と思料するものを差し押えることができる旨規定しているが、これは沒収すべきものは確保し、判決執行の際その同一性に誤りなからしめるためのもので、これが確保される情況にあるものであれば、沒収すべきものでも必ずしも裁判所は押収することを要しないものと解すべきであり、新刑事訴訟法が旧刑事訴訟法と異り沒収すべき物と思料するものも必ず差し押えるべしと規定しなかつたのはこの理によるものと解せられる。而して本件換価代金は司法警察員が差し押えた原判決主文掲記各物件を換価して、横浜地方検察庁がこれを保管しているものであることは原判決挙示の証拠により明白であるからその執行は確保され同一性の確認についても誤りなしと認められるので、原裁判所はこれが押収の手続をとらなかつたものと認めるべきもので、原審訴訟手続には法令違反は認められない論旨は理由のないものである。

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